活動報告書

対象年度: 2023

提出日: 2024年08月11日

国名 イエメン共和国
学校名 ベルキス女子中学校
Balqis school for Girls
カウンターパートナー NPO法人アクセプト・インターナショナル
報告担当者 丸田 陽加里
生徒数 1700
学校概要 ベルキス女子中学校は2016年に創設された公立の中学校である。生徒は主に内戦から逃れて故郷を離れた国内避難民(Internally Displaced Persons、以下IDPs)の子どもたち、及びその受け入れホストコミュニティの子どもたちであり、14歳から17歳の女子1,700名が通っている。生徒だけでなく、教員及びスタッフも全て女性で、教員は7名、ボランティア教員43名が指導にあたっている。

支援前の状況


ベルギス女子中学校は建物は老朽化と定期的なメンテナンス不足による、壁や床の亀裂、階段のタイル割れ、窓ガラスの破損等が見られる。教室によってはドアが破損し、空調設備となる教室内の扇風機にも劣化が見られ、いずれも適切な学習環境を維持するものとして機能していない。マアリブ県は夏から秋にかけて気温が高く、日中は40度にも達するが、エアコンは設置されておらず、生徒が集中して学習に打ち込むことが難しい状態にある。しかしながら、政府からの支援が行き届かず、必要な修繕等が行えていないだけでなく、不安的な経済状況に加え、前線地帯にあるマアリブ地域の流動的な情勢により、資金を確保することは難しくなっている。また、学⽣の健康と衛⽣状態も懸念されており、特にトイレの水回りとタンクの接続部が破損している状態にある。加えて、書類を整理する戸棚等の教員が必要とする備品も慢性的に不足している。

支援後の状況


支援前の状況を受けて、本校における階段、教室、トイレ及び電気設備の修繕を実施した。校舎の1階と2階を結ぶ階段は多くの生徒が利用する場所であり、タイル割れの補修を全面的に実施した。また、教室においては窓ガラスや飾り窓の破損、ドアの破損の修繕を行い、雨風を含む教室外の影響を受けずに授業を受けることができる環境を整えた。さらに、水道設備が破損していたため、学校内で水が不足する事態となっていたが、設備の補修を行ったことで、トイレを始めとする水回りの衛生環境の改善に寄与した。

学校からの反響


先生からのメッセージ

アクセプト・インターナショナル、そしてドナーである日本寄付財団の皆さんに感謝を申し上げます。水道設備に加え、教室の窓やドア、そして校舎の中心にある階段の修繕など、どれもがこの学校で本当に必要とされている支援でした。たくさんの女子生徒と教員を抱える当校において、特に水道設備の修繕は非常に重要であり、これまで私たちはどうすることもできませんでしたが、今ではこの学校に通うたくさんの女子生徒と教員がその恩恵を再び受けられるようになりました。

子ども達からのメッセージ

私たちベルキス女子校の生徒たちは、学校の設備と施設を修繕したくださったことに、心から感謝の意を表したいと思います。トイレを含む、給水システムの修理と整備、給水タンクの設置、階段と窓の修繕は、私たちの普段の学校生活に大きな変化をもたらしてくれました。皆さんの支援を受ける前は、トイレの水不足に悩まされ、非常に不便に感じていました。今回の修繕のおかげで、快適な学習環境が整備されたと同時に、これまでの学校環境が非常に改善されました。寛大なご支援、本当にありがとうございました。

その他写真