活動報告書

対象年度: 2023

提出日: 2024年08月11日

国名 イエメン共和国
学校名 アルウェダ校
Alwahda school
カウンターパートナー NPO法人アクセプト・インターナショナル
報告担当者 丸田 陽加里
生徒数 3250
学校概要 アルウェダ校は2018年に創設され、小学校・中学校・予備学校(就学前に通う幼稚園に当たる施設)を有する公立学校である。生徒は主に内戦から逃れて故郷を離れた、国内避難民(Internally Displaced Persons、以下IDPs)の子どもたちであり、5歳から17歳の男子1,450名、女子1,800名の合計3,250名がアルウェダ校に通っている。IDPsが集まって暮らすAl-Jufainaキャンプ内に位置しており、建物ではなくテントが教室として使用されている。50名(男性20名、女性30名)の教員に加え、7名(男性4名、女性3名)の教員がボランティアとして指導にあたっている。

支援前の状況


アルウェダ校は紛争地域から逃れて来たIDPsの増加により、受入れ可能なキャパシティを越えて生徒を受け入れている状態にある。そのため、教室内が過密になり、文房具や制服、かばんなどの学用品も不足している。しかしながら、住居や政府関連施設等の建設が優先される現状があり、教室の増築は難しい状況となっている。また、現在の教室は既に5年以上にわたって使用されているため、施設の劣化による倒壊や破損を防止するための修繕が必要だが、政府からの支援が行き届かず、適切な学習環境を保つための修繕等が行えていない。それだけでなく、不安的な経済状況に加え、前線地帯にあるマアリブ地域の流動的な情勢により、資金を確保することは難しくなっている。設備面でも、特にマアリブ県は年間を通じて気温が高く、日中は30度〜40度にも達するが、電気設備やエアコンが設置されておらず、生徒が集中して学習に打ち込むことが難しい状態にある。

支援後の状況


支援前の状況を受けて、本校においては教室の床を中心とした修繕、冷房設備及び敷地の周りのフェンスの設置を実施した。テント型の教室には床がなく、地面が剥き出しの状態であったが、コンクリートを流し込んで床を作ることで、より安全で安定した教室環境を整備した。また、30度〜40度になる日にも快適に学習ができるよう、各教室に冷房設備を導入した。さらに、学校の敷地の周りにフェンスを新しく設置することで、生徒が学校外に無断で出ることを防ぎ、授業中も外部環境に左右されずに学習できるようになった。加えて、パソコンやプリンターを先生向けに提供することで、効率的に管理や授業を行うことができる環境を実現した。

学校からの反響


先生からのメッセージ

私たちはこの度のアクセプト・インターナショナルと日本寄付財団による、前向きな学校環境改善事業の実施に対して感謝しています。この学校は多くの避難民の子どもたちが通っており、冷房設備などもなく、日中の暑さによって子どもたちが熱中症になってしまうこともありました。この事業を通じて、学校の敷地の周りにフェンスを建ててくれただけでなく、床のコンクリート補修を含む4教室の修繕が行われたほか、私たちのニーズに応え、パソコンなどの必要な電子機器を提供してくれました。とても助かっています。ありがとうございました。

子ども達からのメッセージ

私たちの学校を素晴らしく改築していただき、本当にありがとうございました。学校の周りの新しいフェンス、エアコンの設置、そして床の修繕により、私たちの学習環境は格段に良くなりました。私たちはより安全に勉強することができるようになりましたし、もっと勉強したいというモチベーションがとても高まりました。アクセプト・インターナショナル、日本寄付財団、そしてドナーの皆さまの親切さと寛大さに心から感謝しています。

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