活動報告書

対象年度: 2023

提出日: 2024年08月11日

国名 イエメン共和国
学校名 カリド・ベン・アルワリド校
Khalid Ben Al-Walid
カウンターパートナー NPO法人アクセプト・インターナショナル
報告担当者 丸田 陽加里
生徒数 430
学校概要 カリド・ベン・アルワリド校は2009年に創設された公立の小学校である。学校が位置する地区は人口が集中する街の中心部であり、内戦の影響により故郷を離れてマアリブ県に避難してきた国内避難民(Internally Displaced Persons、以下IDPs)が多く暮らしている。学校に通う子どもの中にはIDPsも含まれ、1年生から6年生までの生徒数は430名となっている。4名の男性教員に加えて、8名のボランティア教員(男性3名、女性5名)が指導にあたっている。

支援前の状況


カリド・ベン・アルワリド校は内戦の影響により、国内避難民(IDPs)が学校周辺で急増したことから、入学を希望する子どもの数が大幅に増加し、学校側の受け入れ可能なキャパシティを超えている。それでもなお、新規に入学を希望する生徒が少なくとも20名〜50名程度いるとされているが、教室や学用品等が不足している現在の状態では、新規生徒の入学を延期せざるを得ない状況にあり、当該地区に暮らす子どもたちが適切な教育を受けることができていない。そのため、教室を増築し、受け入れ生徒のキャパシティを拡大することが喫緊の課題となっている。一方で、一部の学級では生徒の数が既に60名を超えており、教室内の過密な状態も報告されている。このような生徒数の増加に伴い、教科書や制服も不足している。加えて、教科書や本を適切に保管する場所がなく、風雨にさらされる状態となっているほか、適切な教育を提供するために教員の休息室等も要望されている。

支援後の状況


支援前の状況を受けて、本校では最も大きな課題となっていた受け入れ生徒のキャパシティ不足を解消するため、屋上に2教室の増築を行った。窓付きのコンテナ型式の教室を設置し、各教室40名分の子どもたちの学習に必要な机と椅子セットを導入した。その結果、教室や学校のキャパシティ不足により、入学の延期を余儀なくされていた子どもたち、男女それぞれ40名の計80名の生徒が新たに増築した教室で授業を受け、正式に学校に通うことができるようになった。

学校からの反響


先生からのメッセージ

私たちは2つの教室を新たに増築し、椅子と机を提供してくださった、アクセプト・インターナショナルと日本寄付財団の皆さんに大変感謝しています。今回このような依頼をしたのは、当校に通う生徒の数が規定の人数を大幅に超えてしまっていたからです。おかげで新しく80名の児童を当校に迎えることができました。本当にありがとうございます。これからも私たちは子どもの学習環境の改善に努め、黒板や空調設備のある教室を増やし、本棚や教員向けの休憩スペースも作っていく必要があると考えています。

子ども達からのメッセージ

学校に新しい教室を作ってくださり、本当にありがとうございました。カリド・ベン・アルワリド校には、これまで授業を受ける教室もスペースもなく、私たちは学校に行くことができていませんでしたが、教室が新しく2部屋できたおかげで、私たちは勉強することができるようになりました。今は新しい教室に通うことができ、友達もできました。とても嬉しいです。もっと勉強を頑張りたいと思います。支援してくれた皆さまに感謝しています。

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