活動報告書

対象年度: 2023

提出日: 2024年08月11日

国名 シリア・アラブ共和国
学校名 アルアンサー小学校
Al Ansar School
カウンターパートナー 特定非営利活動法人Piece of Syria
報告担当者 鈴木のどか
生徒数 120
学校概要 アルアンサー校は、トルコとシリアの国境にある山岳地帯、イドリブ県北西部に位置しています。険しい地形と厳しい気候が特徴で、雇用機会の少ない地域です。6歳から12歳の子どもたちが通っています。学校は戦争の最中2013年に設立され、最初の5年間は教師たちはボランティアで働いていました。その後、現地NGOの助成により毎月の給与を支給できるようになりました。この学校は、シリア国内の戦争から逃れてきた、さまざまな地域からの避難民を多く受け入れており、多くの子どもたちは戦争が原因で以前の学校を中退していました。

支援前の状況


今回の支援校二校は、戦争による爆撃に加え、地震による破損により修復が切実に求められていました。具体的には、教室のドア、ホワイトボード、床のタイル、地震でひびわれた壁の修繕や、学校の周囲を囲むブロック塀を必要としていました。生徒たちの心理状況は、戦争状態により不安定で、学校に来ても壊れた壁や塀などを目にする中でさらに心理状況が悪化しているのが明らかだったので、これらの修繕が急務とされていました。また、校舎周辺に塀がないため、プライバシーや安全性が確保されていないことも懸念点でした。教室にドアがないため、冬季に教室内はとても寒くなります。そうなると子ども達への出席率にも影響します。学習しやすい大きなホワイトボードもありませんでした。また、学校の廊下は土の地面がむき出しになっていて汚れているので、生徒たちの服はいつも埃だらけでした。また、校内の埃のせいで生徒や教員の間では呼吸困難も起きていたといいます。

支援後の状況


学校の周囲に適切な高さのフェンスを設置。震災でひび割れた校舎の壁を修復。校内の各所にタイルを敷き詰めた。教室の一つに塩ビ製のドアを設置。発電機の設置。ホワイトボードの設置。トイレの修繕の実施。 校内の修繕を終えた後、支援校の2校は新年度の新入生を迎え、生徒たちは大喜びでした。また、保護者たちは、今回の修繕が完了し学校が安全な場所になったことで、子ども達を学校に通わせることを勧め始めました。

学校からの反響


先生からのメッセージ

教員のムハンマドです。
これまで日本の友人達ほど、シリアに本当の関心を寄せて下さる方はいませんでした。私は日本の政府と国民を非常に尊敬しています。なぜなら、皆さんは教養があり、教育の重要性を十分に理解し、高く評価しているからです。日本の皆さんが快く提供してくださったこの支援は、子ども達に安全な学習環境を提供し、親たちが子ども達をもっと学校に通わせるようにすることを後押ししてくれました。現在、皆さんのおかげで、学校には新しいホワイトボードと電気設備が整い、ひび割れた壁も完全に修復されました。あなた方の素晴らしい支援に、改めて心から感謝申し上げます。

子ども達からのメッセージ

私の名前はファティマです。アル・アンサー小学校の5年生、11歳です。学校の修繕のために頂いたものに感謝します。昨年度は地震の後、学校の周りの塀が一部壊れ、地面がとても埃っぽくなっていました。学校の外の誰かが私たちに嫌がらせをすることを恐れて、私たちのクラスの先生は公邸で遊ぶことを禁止していました。今では、塀が修復され、床も新しくなりました。I LOVE YOU 日本の皆さん、大好きです!

その他写真