活動報告書

対象年度: 2000

提出日: 2024年10月21日

国名 ウガンダ共和国
学校名 マザー・エー・ケー小学校
Mother AK Memorial and Nursery School
カウンターパートナー 認定NPO法人テラ・ルネッサンス
報告担当者 小川真吾
生徒数 199
学校概要 ウガンダ北部に位置するオモロ県コチ・オンガコ群オニャンヤ村の「マザーAK小学校」には、近隣地域より約199名の生徒が通っている。3教室で構成される校舎が老朽化し、資金不足によりドア、窓もなく、床は剥がれ、 壁も崩れ落ちている状態で、子どもたちが安全に勉強できない状態にある。また、雨の日は教室が水浸しになり、実質使用不可の状態が続いている。こうした状況に鑑みて、同校舎の全面改装を行い、ドア、窓の設置を行う。

支援前の状況


ウガンダでは長年の紛争の影響を受け、多くの子どもたちが命と暮らしの危機に直面してきた。加えて、コロナ禍において度重なるロックダウンなどの社会経済活動の禁止・制限により、多くの貧困層は失業や収入の減少により、より厳しい生活を強いられ、学校再開後も子どもに十分な教育を与えられない状況に陥っていた。加えてウクライナ危機の影響で食糧・日用品の物価がさらに高騰し、貧困層の多くは子どもの教育費を削減せざるを得ない状況にあった。特に、ウガンダ北部においては、1990年代からの紛争の影響で約3万8千人の子どもたちが誘拐され子ども兵として徴兵されるなど過去に甚大な紛争の影響を受けてきた。現在、治安は回復しているもののコロナ禍やウクライナ危機の影響もあり、脆弱な子どもや若者たちが学校教育に戻ることが困難な状況が続いている。また、政府の支援で学校運営がなされているが、それでも保護者が学校の修繕費等の費用を支払わなければ学校運営は成り立たない状況で、それが支払えない貧困層の子どもは教育を受けることができない。特に農村部の小学校の教育環境や、生徒たちが滞在する寮での生活環境が劣悪な状況にある。 過去数十年にわたり、ウガンダでは、援助機関により多くの学校が建設されてきたが、建設後の運営費や修繕費の支援がなされることはほとんどなく、結果、校舎はあるものの実際には、子 どもたちが持続的に教育を受ける環境が整備されていないケースが数多く見受けられる。特に、ウガンダでは教科書や文房具、机や椅子、黒板などの備品すらも欠如・破損しており、教師の給与も十分に支払われておらず、教育を行う上での基本的な環境さえ整っていない状況にある。

支援後の状況


今回の支援により、ウガンダ北部のオモロ県、コチ・オンガコ群、オニャンヤ村の「マザーA.K小学校」においては、老朽化して使えなくなった校舎の改装工事、修復を行うことができた。同小学校には、約199名の生徒が通っていたが、3教室で構成される校舎のドア、窓の設置、また、剥がれてしまった床は整備し、壁も崩れ落ちている状態であったが、これらの箇所を全て修復することができた。これにより、199名の生徒に加えて、現在、追加で、さらに30名の子どもたちを受け入れることができている。これまでは、雨の日は教室が水浸しになり、実質使用不可の状態が続いていたが、今回の支援により子どもたちが安心して勉強できる環境を整えることができた。

学校からの反響


先生からのメッセージ

日本の皆様に心より感謝申し上げます。特に、私たちの学校を修繕するために直接、寄付をしてくださった日本の皆様からのご支援に心より感謝申し上げます。
私たちの学校は、創設者が自己資金で設立して、学校に通えない子どもたちに教育を与えてきましたが、度重なる危機や資金不足の中で、政府からの支援も受けることができずにいました。特にコロナ禍以降は、保護者の生活も厳しくなり、学校運営に必要な資金を確保することができず、老朽化した校舎の修復もできない状況でした。そんな中、日本からmaaaruプロジェクトにより支援を受けることができると聞き、教師一同、喜びました。同時に、本当に支援が行われるのかという不安もありました。なぜなら、これまでにも支援をしてもらえるかもしれないということを何度か聞き、実際に支援が実施されないことがあったからです。しかし、今回、調査だけでなく、実際の支援も行われ、そして、何より、支援してくださったご本人が、同学校に訪問してくださいました。当日は、保護者や教員、村の関係者などが集まり、この支援の喜びを日本の方々に直接、伝えることができました。
改めまして、今回のご支援に心より感謝申し上げます。

子ども達からのメッセージ

私たちの教室を修復してくれてありがとうございました。これまで、雨の日は、教室の中に水溜りができて、教科書やノートが濡れてしまうこともありました。新しいノートを買うこともできないので、雨が降ると、いつも勉強に集中できないでいました。また、雨季には雨がたくさん降って、授業ができないことが度々ありました。でも、今は、教室の窓も、ドアも修理されて、みんな雨が降っても、教室で勉強をすることができています。そして、日本から支援をしてくれた女性が伝統衣装(日本の着物)で、僕たちの小学校まで来てくれました。とても嬉しかったです。いつか、日本に行きたいと思いました。そのことを先生に話したら、勉強すれば、いつか日本に行けるかもしれないと言われました。だから、私は頑張って、小学校を卒業して、中学校に行きます。そして、いつか、日本から支援をしてくれた人たちの住む東京に行きたいです。本当にありがとうございました。

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