活動報告書

対象年度: 2023

提出日: 2024年09月24日

国名 シリア・アラブ共和国
学校名 ダールアルゼイトゥン小学校
Dar Al Zaytun
カウンターパートナー 特定非営利活動法人Piece of Syria
報告担当者 鈴木のどか
生徒数 170
学校概要 ダールアルゼイトゥン校は、トルコとシリアの国境にある山岳地帯、イドリブ県北西部に位置しています。険しい地形と厳しい気候が特徴で、雇用機会の少ない地域です。6歳から12歳の子どもたちが通っています。 学校は戦争の最中2013年に設立され、最初の5年間は教師たちはボランティアで働いていました。その後、現地NGOの助成により毎月の給与を支給できるようになりました。 この学校は、シリア国内の戦争から逃れてきた、さまざまな地域からの避難民を多く受け入れており、多くの子どもたちは戦争が原因で以前の学校を中退していました。

支援前の状況


学校はとても老朽化していて、改築やメンテナンスが必須でした。 学校があるのは開けた土地で、いくつかの学校が建てられていますが、周囲にブロック塀は破損している状態でした。 安全なブロック塀がなければ、学校外からの嫌がらせの危険にさらされ、子ども達にとっても危険な状況です。 爆撃と地震の被害を受けた後は、校舎の外壁の一部が破壊され、亀裂が入っていました。 加えて、校内の埃や汚れの広がりは、子ども達や職員に呼吸器系の病気を引き起こしました。 また、校内には発電用のバッテリーや発電機がありませんでした。 さらに、トイレは水路のような穴を掘って便器を設置しなければなりませんでした。 学校の家族も子どもたちも、大変な苦しみを味わっていましたが、外部からの支援としては教師の給料と文房具が子ども達に支給されるだけで、必要な支援について誰も話を聞いてくれず、後方支援もしてくれませんでした。

支援後の状況


今回のご支援によって、以下の教育環境が改善されました。 ・教室にホワイトボード4台が設置された。 ・地震でひび割れた学校周辺のブロック塀や校舎の壁ののメンテナンスと修復を行った。 ・校内の廊下をタイルで舗装した。 ・教室のひとつに塩ビ製のドアを設置した。 ・学校の電気を作るための発電機、バッテリーが設置された。 ・トイレに便器を設置し、排水路の穴を掘った。 日本の皆さんの寄付によって、学校はより良い環境になり、先生たちや生徒たちはとても感謝しています。 保健、住居、食糧など、他の分野に寄付をする国は多いかもしれませんが、日本の方たちは、教育の重要性と、将来シリアを立て直すための意識と教養のある世代を作るという役割を理解し、教育に多くの関心を寄せて下さっています。ありがとうございます。

学校からの反響


先生からのメッセージ

私はダールアルゼイトゥン小学校の教師、カディジャです。あなた方が学校に与えて下さったものには、ただただ感謝しかありません。
私たちは、戦争や災害の惨禍に見舞われた子どもたちに安全な教育環境を提供することがどれほど重要であるかを知っています。今、日本の友人たちは、シリアの子どもたちと共に力強く達、安全な教育環境を提供することによって、将来への道を切り拓き、教育の視野を広げています。
私はいつも生徒たちに、日本が第二次世界大戦後すぐに教育を取り戻したこと、日本人は世界に開かれ、聡明で、教育をとても大切にしていることを説明しています。
本当に継続的な発展が必要な、私たちの古い学校を修繕するために、あなた方は私たちの力になってくれました。
ありがとうございました。

子ども達からのメッセージ

僕はイドリブの田舎に住む12歳のマフムードです。あなたは僕たちの学校のために素晴らしい活動をしてくれました。
今、僕たちの学校には電気があり、簡単な科学のドキュメンタリーを見ることが出来ています。
僕たちは自由に安全に外で遊ぶことができ、学校で楽しく勉強することができています。
日本の子ども達にも、僕の気持ちや、学校のこと、学校で何が起こったかを伝えて下さい。
将来、皆さんと日本の子ども達にお会いできることを楽しみにしています。
私の学校の友達を代表して、ありがとうございました。愛をこめて。

その他写真