活動報告書

対象年度: 2023

提出日: 2025年05月17日

国名 メキシコ
学校名 サン・クリストパル 母と子のラーニングセンター
Learning Center for Children and Mother
カウンターパートナー ICAインターナショナル文化交流会
報告担当者 市川ゆり
生徒数 25
学校概要 I C Aでは2006年よりメキシコの先住民が多く移住するチアパス地区において、母親と子どものための学習センターを設置し、支援しています。このセンターでは、女性の自立を支援するための各種職業訓練や研修を実施してきました。研修内容は、縫製研修、パソコン研修、食品加工研修、製パン研修、薬草プロモーター、幼児保育研修、ビジネス英語研修、コミュニティーファイナンス研修、女性の健康管理研修などです。 これらの訓練にはシングルマザーや小さな子どもを連れてくる母親も多く、それに合わせて訓練所内に保育所を設置し、子どもたちに幼児教育を提供しています。 この保育所の存在により、母親は子どもに気を取られることなく学習に集中でき、子ども達も母親と一緒に学べる環境が実現しました。 メキシコでは2003年から5~6歳児を対象とした就学前教育が義務化されています。それ以前の子どもを対象とする早期幼児教育(Educación inicialまたはECD)の充実も求められており、「万人のための教育」の達成に向けた国家的な取り組みの一環として重要視されています。

支援前の状況


「母と子のためのラーニングセンター」は、メキシコのチアパス州において、女性の自立支援と子どもの早期教育を目的に2006年に設立されました。しかし、施設の老朽化が進み、特に校舎の木材の腐敗や屋根の劣化により雨漏りが発生し、不衛生な環境が続いていました。さらに、コロナ禍で衛生環境の改善が求められたものの、十分な対応ができず、施設内の安全性が懸念される状況でした。また、トイレや水回りの設備も劣化し、子どもや母親が安心して学べる環境とは言い難い状態でした。 教育面では、就学前教育の重要性が広まりつつあるものの、教材や設備の不足により十分な学習機会を提供できていませんでした。特に、シングルマザーや経済的に困難な状況にある女性にとって、職業訓練を受ける際に子どもを安心して預ける環境が整っていないことが課題でした。センターの修繕と設備改善が急務であり、地域の人々からも強く求められていました。

支援後の状況


支援が決定してから施設内外の清掃作業が開始されました。まず屋内の整理整頓が進められました。長年手がつけられていなかった屋外エリアの除草作業も行われ、安全で快適な環境が整えられました。特に、雨漏りや老朽化が進んでいた建物の電気系統の修復が実施され、照明や電源設備が正常に機能するようになりました。 また、建物の入り口は塗装が剥げており、施設の印象を損ねていましたが、丁寧に塗り直され、明るく清潔な雰囲気に生まれ変わりました。これにより、センターを訪れる母親や子どもたちが安心して利用できる環境が整い、地域の人々の意識も向上しました。

学校からの反響


先生からのメッセージ

当研修施設を女性、子ども、そして子どもの能力を優先的に強化する場として支えてくださったICAジャパン、日本寄付財団、スポンサーの皆さま、そしてプロジェクトに関わるすべての方々に、心より感謝申し上げます。
当施設は、JICAを通じた日本政府の支援により、2005年に女性に職業訓練を提供する目的で建設されました。しかし、年月の経過とともに建物の老朽化が進み、衛生面や安全面の課題が深刻化していました。そのような状況の中、皆さまのご支援によって施設の修繕が実現し、環境が大幅に改善されました。特に、施設内の清掃や電気系統の修復、塗装の塗り直し、屋外の整理整頓が行われたことで、利用者が安心して学び、成長できる場所となりました。
今後も、ここで学ぶ女性や子どもたちの未来のために、この施設をより良いものにしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

子ども達からのメッセージ

みんなで遊ぶ場所がきれいになって、とてもうれしいです!前は壁が汚れていたけれど、今は明るくなって気持ちがいいです。
外の庭も整備されて、遊ぶ場所が増えました。
日本の人たちが私たちのことを助けてくれて、本当にうれしいです。
きれいになった教室で、もっともっと勉強を頑張ります!
前は教室の壁が剥がれていて暗く感じましたが、今は色が塗られて明るくなり、楽しくなりました。
私たちの施設をきれいにしてくれて、本当にありがとう!

支援前/支援後/その他写真