活動報告書

対象年度: 2025

提出日: 2026年02月12日

国名 シリア
学校名 ハリタンショウガッコウ
Haritan city Elementary School
カウンターパートナー 特定非営利活動法人Piece of Syria
報告担当者 代表理事 中野 貴行
生徒数 600
学校概要 この公立小学校は、アレッポ北部郊外に位置し、紛争前は、周辺地域の低所得世帯を中心に、毎年約600人の生徒に政府基準の教育を無償で提供していました。しかし、2011年に始まった長期にわたる内戦により、この地区は紛争の最前線となりました。治安の悪化と物流上の課題が続いたことで、政府およびNGO主導の復興プログラムの対象から除外されました。特に、学校は修復や教育継続のための外部からの支援を受けることができませんでした。その結果、施設は10年以上も劣化したまま放置されてきました。2024年後半のアサド政権崩壊と避難民家族の段階的な帰還により、この地域への人道支援アクセスは改善しつつあります。しかし、教育インフラのニーズは復興のペースをはるかに上回っています。帰還した子どもたちのニーズに応え、長期的な安定化を促進するため、コミュニティは正規の教育への新たな投資を緊急に必要としています。

支援前の状況


 支援前の小学校は、戦禍により深刻な被害を受け、教育機能を完全に失っていました。校舎の一部は破壊され、略奪によって機器や教育資材はすべて失われていました。壁は焼け落ち、窓やドアも壊れたままで、電気や水道といった基本的なインフラも機能していない状態でした。  アレッポ北部の農村地域にある同校は、かつて約350名の児童が通う地域の重要な教育拠点でした。しかし、こうした状況のため、帰還した子どもたちは教育を再開することができず、安全で安定した学習環境は失われていました。学校の荒廃は、生活の再建を目指す子どもたちとその家族にとって、大きな精神的負担ともなっていました。

支援後の状況


 教室および管理室を含む計8室が全面的に修復されました。損傷していた壁や床は補修・再整備され、内外壁には塗装と仕上げが施されました。破損していた窓やドアは新しく設置され、階段や手すりには安全性を確保するための鉄製部材が取り付けられました。さらに、電気配線や照明、スイッチ、コンセントの交換・整備が行われ、水道設備も復旧し、学校として必要な基礎インフラが回復しました。  これにより、校舎は清潔で安全かつ機能的な教育空間へと生まれ変わりました。子どもたちは安心して学習に取り組むことができる環境を取り戻し、教師も安定した設備のもとで授業を行えるようになりました。学校は350名を超える児童を受け入れる準備が整い、地域に再び子どもたちの声が戻っています。  また、学校の再開は単なる施設の復旧にとどまらず、地域社会にとって、戦禍から立ち上がる力と希望を象徴する出来事となりました。公式再開式にはアレッポ県知事も出席し、地域住民にとって大きな誇りと喜びを分かち合う機会となりました。学校の再生は、地域社会の心理的・社会的安定にも確かな影響を与えています。

学校からの反響


先生からのメッセージ

「当学校の教師、マフムードです。
 まず初めに、私たちの学校改修をご支援くださったmaaaruプロジェクトの皆様、Piece of Syriaの皆さまに、心より深く感謝申し上げます。特に、シリアの子どもたちの未来を真摯に思い続けてくださった窪智宏様に、特別な感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
 長年にわたる破壊や恐怖、そして教育活動の停止を経て、今回の学校改修は私たちに再び希望をもたらしてくれました。清潔で安全な教室が戻ってきたことで、生徒たちは学ぶ意欲を取り戻し、私たち教師も尊厳と希望をもって教育という使命を果たすことができるようになりました。
 窪様がもたらしてくださったのは、単なる建物の修復ではなく、一世代全体の未来を築くための真の貢献です。心からの感謝と敬意をお伝えします」

「私は3年生を担当しているカディージャです。
 戦闘機による攻撃とそれによってもたらされた破壊と恐怖により、子どもたちとその教育の未来は大きな影響を受けました。その学校が改修されたことに、私は深い感謝と大きな喜びを感じています。
 今回の改修は、傷んだ壁を直すだけのものではありませんでした。それは、子どもたちの心に命と安心を取り戻すための本当の一歩でした。清潔で安全な教室が戻ったことで、生徒たちの顔には笑顔が戻り、長年の不安と中断の後、再び学ぼうという意欲が生まれました。教師として、私は今、子どもたちの夢にふさわしい環境で、安定と安心を感じながら授業を行うことができています。
 この改修の意義は学校の枠を超えています。なぜならそれは、子どもたち、そしてシリアの未来への真の投資だからです。人を育てることは教育から始まり、教育は安全で健全な環境なしには続けることができません。
 日本の団体Piece of Syria、そしてmaaaruの皆さまに、心より深く感謝申し上げます。困難な状況の中で子どもたちに寄り添ってくださったことに、深く御礼申し上げます。
そして何よりも、窪 智宏様に最大の感謝をお伝えします。あなたのご支援は単なる物質的援助ではなく、希望と愛のメッセージとして私たちの心に届きました。それは、シリアの子どもたちが決して一人ではないことを示してくれました。
 この人道的な取り組みは、生徒たちの記憶に長く刻まれることでしょう。子どもたちに教育を受ける権利と、より良い未来を夢見る権利を取り戻してくださったのです。」

子ども達からのメッセージ

「ぼくの名前はアフマドです。6さいです。
学校がなおって、安全できれいになって、とてもうれしいです。
あたらしい教室にすわって、えをかいたり、お友だちとべんきょうしたりするのが好きです。
わたしたちのことを思って、学校をまたえがおにしてくれて、ありがとうございます。
日本のおともだち、だいすきです」

「わたしの名前はリアンです。5さいです。学校がきれいで新しくなって、とてもうれしいです。
あたらしい教室が大好きです。お友だちといっしょに学校にきて、べんきょうするのが好きです。
また、えがおでべんきょうできるようにしてくれて、ありがとうございます。日本のおともだち、だいすきです」

支援前/支援後/その他写真