活動報告書

対象年度: 2023

提出日: 2024年09月22日

国名 レバノン共和国
学校名 ブルジシェマリ難民キャンプセンター
Burji Shemali Refugee Camp
カウンターパートナー 特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン
報告担当者 松田純子
生徒数 120
学校概要 レバノンでは、15年続いた内戦の時期、パレスチナ難民キャンプで虐殺事件や飢餓状態が起きました。難民キャンプに暮らす子どもたちが、希望を持って生きる力を身につけていけるよう、現地のパートナー団体「子どもの家(NISCVT)」とともに、キャンプ内に子どもセンターを設立しました。幼稚園や学習支援施設では、幼稚園や小学生低学年への学習支援、心理サポートや子ども歯科などと多岐にわたるサポートを行っています。レバノン生まれのパレスチナ難民やシリアから避難してきたシリア人やパレスチナ難民の子どもたちも受け入れています。レバノンのパレスチナ難民は、たとえレバノンで生まれたとしても、国に国民として認められていません。学校は、国連機関や各国NGOから集めた寄付金で運営されています。

支援前の状況


レバノンは経済危機により、公共の電力は1日に1時間程度しかない状況が2年以上続いています。また、燃料の高騰、現地通貨暴落により燃料確保が困難になり、最低限の灯りをともした暗い室内でしか、子どもたちへの学習支援を行うことができない状況で、学習もままなりません。家で食事が食べられない子どもたちへの軽食提供も暗い室内では何を食べているのかもわからず、食べることの楽しみもなくなってしまっています。パレスチナ難民、シリア難民のほとんどは「極度の貧困」状態にあります。難民の子どもたちは、コロナ禍により学校に通えず、オンライン授業も受けられなかったため、授業についていけないばかりか、鉛筆の持ち方も知らないなど能力の低下が顕著にみられ、その対策も課題の一つです。障がいを抱えたこどもたちも病院に行けず放置されており、教育の空白期間が10年近く続く子どもたちもいます。

支援後の状況


支援前は、暗闇の中で授業やおやつを食べたり、トイレも暗い中行かなければならなかったりしていた。支援後は、教室もトイレなども明るさを保てるようになり、ホワイトボードや黒板が使えるようになり、おやつも何を食べてるかわかるようになり、トイレに行くのも怖くなくなったと子どもたちも教員も親もみんな喜んでいます。日本では当たり前に24時間通電していますが、レバノンでは、いまだに1日中通電することがなく、今後も改善される見込みがたっていないため、ソーラーパネルによる太陽光発電は必需品となっています。

学校からの反響


先生からのメッセージ

子どもたちに分かりやすく説明するため、ワークシートやイラストカードの教材をオリジナルで作成していますが、その際にラップトップやプリンターが欠かせません。また、子どもたちの出席や成績の管理、定期的な報告書の作成、保護者への共有にもこれらの機材やインターネットは不可欠です。太陽光発電により電気が安定して使えるようになり、授業準備などがとてもしやすくなり、その分の時間を子どもや保護者との面談やフォローに充てることができるようになりました。大変感謝しています。

子ども達からのメッセージ

子どもが通っている国連の学校では、ビデオや画像などの教材をオンラインで提供していますが、うちにはインターネットや安定した電気はなく、自宅で子どもがオンラインの学習することはできません。キャンプ内のパソコンショップでは不適切なウェブサイトにアクセスしてしまうのではないかと心配でしたし、どうしたら良いか悩んでいました。子どもが補習クラスに通う『子どもの家』ブルジシェマリ校の校長に相談したところ、補習クラスの合間に、学校の調べ学習のために『子どもの家』ブルジシェマリ校のパソコンを使って良いよ、ということになりました。日本の方が寄付してくださった太陽光発電のおかげで、子どもは補習クラスでの授業を集中して受けられるようになり、さらに学校の授業の理解促進にもつながっています。とてもありがたいです。他の保護者の皆さんも喜んでいます。(児童の母親)

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